日本人建築家の坂茂氏、 クライストチャーチの中心に 新たな商業ビルをデザイン

 クライストチャーチをはじめ、世界で知られる日本人建築家、坂茂氏が、この度、ニュージーランドの大手建築デザイン会社、ウォーレン&マホニー社とともに、大聖堂広場に新たな商業ビルをデザインし、建設することを発表しました。

 

 

 日本人建築家、坂茂氏の建築の特徴は、紙官などを建築の構造材として使用していることです。これまで、日本や世界各国でさまざまな建築デザインを行ってきた坂氏は、2011年の地震で被害を受けたクライストチャーチ大聖堂の仮設教会(紙の教会/Cardboard Cathdral)の建設をその提案から携わりました。現在、紙の教会は、クライストチャーチの観光地の一つとして、訪問客の目を楽しませてくれています。

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 そんなクライストチャーチに縁(ゆかり)がある坂氏が、この度、クライストチャーチの中心地、大聖堂広場に新たな商業ビルの建設デザインを、ニュージーランドの大手建築デザイン会社、ウォーレン&マホニー社とともに行うことを発表しました。

 商業ビルのデザインは、カンタベリー平野に網目のように流れる河川からインスパイアされたもの。アオテア・ギフツ社のリチャード・ハンソン氏は、同ビルは、大聖堂広場の南側に、街の地形を視覚的に紹介することで、ランドマークとなることでしょうと語ります。

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Credit: Shigeru Ban Architects (SBA)         

「クライストチャーチへ飛行機で訪れる人たちは、上空から、網目のようなワイマカリリ川を見ることができます。これは、美しい風景だけではなく、この街の過去の歴史と未来を表現するものです」

「クライストチャーチは、多くの特別な意味を持つ建物を失いました。そのため、新しい建築物は、高いクォリティーで、かつそこにストーリーを持たせることが重要です。市内の中でも人気の観光地としての大聖堂広場にとって、それは特に重要なことです」

 同ビル“網目の河川(The Braided Rivers)”には、建物の所有者である大手土産店、アオテア・ギフツ社をはじめ、レストラン、中庭を生かしたカフェやショップなどが入居する予定です。

  プリツカー賞受賞の坂茂氏は、慣例にとらわれない素材を使用する建築家として知られています。「網目の河川」は、建物を支える38本の円柱が特徴です。現在、集成木材を貼り付けた素材にしたものを使うか、または製材を高品質な粘着材で貼り付け、層を成す素材、「グルラム(glulam)」を使うことを検討しています。

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Credit: Shigeru Ban Architects (SBA)             

  この工学的な木材製品を使うことにより、鉄を使うより、より強く、より軽く、より廉価で、さらに環境にもやさしいことに繋がります。

 高さ10メートルの建物内は、すっきりとしたライン、ぬくもりのある素材、自然光をたっぷりと取り入れた坂氏が得意とするデザインです。

 アオテア・ギフツ社の代理として、坂茂氏にアプローチした、ウォーレン&マホニー社は、坂茂氏のSBA社のコンセプトと意図をすべて汲み取った上で、今回の建設に踏み切りました。

 「仮設の教会の例を踏まえ、我々は坂氏のデザインを守るために協定があり、さらにそれを進めていく上で、リソース・コンセント(資力基準の承諾)、ビルディング・コンセント(建築基準の承諾)をクリアする必要がありました」

 「我々は、我々の資材や建築基準に対する深い理解に自信があり、それにより、直接、建設会社へ建築方法の詳細を伝えることができます。また、要求に応じて、SBA社を連絡体制に組み込みます」と、ウォーレン&マホニー社社長のピーター・マーシャル氏は語ります。

 リソース・コンセントの申請は、今週行われ、建設は2018年10月から着工し、完成は2019年後期の予定です。

vue_sw_HD04.jpgCredit: Shigeru Ban Architects (SBA)         

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