レイク・テカポに最新の星空ツーリズムが登場

ニュージーランドで夜空の美しさやその神秘について探ることは、古代マオリの文化について理解を深めることにつながります。

 

 新たな天文学と星空ツーリズムのメッカとして知られるレイク・テカポに世界初、室内型のマルチメディア体験施設がオープンし、マオリの天文学や科学についても学べるようになりました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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 ダークスカイプロジェクト(元アースアンドスカイ)が新設したこの施設は、タカポ湖畔の1140平方メートルの敷地を有し、湖と山々の絶景を眺めながら昼も夜も食事を楽しめるダークスカイ・ダイナーが併設されているほか、天文ツーリズム会社が催行するアウトドアの星空観測体験ツアーなどの出発点となります。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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 同施設のオープニングでは、ニュージーランド総督のデイム・パッツィー・レディが出席する中、マナ・フェヌア/地元のマオリリーダーであるアロフェヌアとワイハオ、モエラキ・ルナンガ(部族グループ)が洗礼を行い、「レフア」と名付けました。

 ダークスカイプロジェクトは、ナイ・タフ・ツーリズムと共同創設者のテカポ住民のグラエム・マレーさん、そして小澤英之さんによる共同企業です。特にマレーさんと小沢さんは南島のこの小さな町を星空のサンクチュアリーにすることを夢見た第一人者です。彼らの夢はさらに大規模なものへと発展してダークスカイ・サンクチュアリーに認定され、この地域が世界でも最高の星空観測地の一つとして知れ渡るまでになったのです。

 マレーさんはこの新事業が進められるのを目の当たりにして非常にうれしく思い、特に、4月に大型の天文台がクレーンで設置された時は感激を覚えたと言います。ここには125年前のビクトリア朝時代に製造された年代物のブラッシャー望遠鏡もあります。高さ9メートルと大きく、2年前に修復されるまで50年もの間保管されていたこの望遠鏡は、同施設のハイライトの一つとも言えます。

「15年前に、私とひでがオテヒワイ(マウント・ジョン)山頂に立って夜空を眺めて以来、アオラキ・マッケンジー国際ダークスカイ保護区の中心地に天文学の本拠地を造ることが私たちの夢でした。そして星空への情熱とより深い理解を将来に引き継いでいきたいと考えています」とマレーさんは話します。

 アースアンドスカイ社は会社を再構築してダークスカイプロジェクトへ社名変更し、2004年の創業以来の大きな転換期を記念すべくレフアをオープンさせました。マオリ部族が所有するツーリズムオペレーターのナイ・タフ・ツーリズムとも2016年以来パートナーシップを組んでいます。

 テ・ルナンガ・オ・ナイ・タフのカイファカハエレ(責任者)であるリサ・トゥマハイさんによれば、2016年に観光振興パートナーシップから政府出資の財政支援300万NZドルを受け、それが開発費1100万NZ ドルの本事業に弾みをつけることになったのだと話します。

「ダークスカイプロジェクトはワールドクラスの観光ツーリズムです。私たちとナイ・タフタンガ(信念、価値観)を結び付けるものであり、マナ・フェヌアと真の体験をできる機会を作り出した人々に大変感謝しています。それにより、私たちの祖先のストーリーが世界に語られるのですから」。

 ナイ・タフ・ツーリズムの最高責任者のクイントン・ホール氏は、今後、何千人もの人がタカポを訪れて、昼も夜も湖畔で食事を楽しんだり天文観測も天候に左右されずに楽しんだりできるようになることから、レフアはマッケンジー地区で重要な施設になると話します。

「ダークスカイプロジェクトにより、この地区の価値が高められることでしょう。世界各地を見ても美しい星を観測できる夜空は少なくなってきていますし、訪問客はタカポのような澄んだ暗い夜空を眺めたいと思っていることでしょうからね」。

 レイク・テカポは、アオラキ・マッケンジー国際ダークスカイ保護区域の中央に位置しています。世界でも最大面積のダークスカイ地域を誇り、ゴールドステータスを初めて獲得したこのエリアは、天文学の新しい本拠地にふさわしいといえるでしょう。

ダークスカイ・エクスペリエンスについて

 ダークスカイ・エクスペリエンス(ガイド付き45分)は、マウント・ジョン天文台にあるカンタベリー大学が行なっている貴重な研究とタータイ・アロラキ(マオリ天文学)、さらに最先端のオーディオビジュアルを駆使して宇宙と星空の神秘に浸る世界初のツアーです。

 ダークスカイ・エクスペリエンスで本物の体験ができるよう、地元の部族グループを代表してマオリ天文学を先導する専門家のランギ・マタムラ教授をはじめ、カンタベリー大学とも連携して、宇宙にまつわるさまざまなストーリーを魅力的に伝えます。

テ・ファレ・タータイ (マオリ天文学)

 新しいプログラムの一部はテ・ファレ・タータイの概念を取り入れています。

 これは宇宙に関するマオリの知識を教える学校で、星や惑星、銀河、太陽、月、そして空を魅力的にするあらゆるものについて学びます。学生たちは、宇宙の成り立ちについて、また地と空、海のつながりについて学んだりするほか、マオリ独特の未来を予測する空の読み方についても学びます。これにより、その年の食物の収獲や天候を予測したり、またコミュニティーのメンバーに起こる事故や死などの不運についてまで予期できると言われています。

 このように、マオリの人々にとって空は重要な役目を果たしてきました。現在位置を知るためや道しるべなどロードマップやカレンダーとして利用するだけではなく、時間や時期を把握するためにも使っていたのです。それにより、魚や鳥の採集時期や畑が肥沃になる時期、種まきに最適の時期などのほか、それぞれの人生の節目などについてまで知ることができたのです。

 ブラシャー望遠鏡

 ブラシャー望遠鏡は1800年代後半にアメリカの天文学者パーシヴァル・ロウェル氏が火星研究の目的で使用していました。高さ最大9メートルで18インチの反射鏡があり、銅と鉄、スチール、木を使った美しい装飾が見事です。

 1960年代にペンシルバニア大学によってカンタベリー大学に寄贈され、カンタベリー大学のマウント・ジョン天文台に設置されました。ところが残念なことに、当時は望遠鏡を設置するのにふさわしいドームの建設費用を捻出できなかったため、保管されることになったのでした。そしてついに2016年、カンタベリー大学がトゥモローズ・スカイ・チャリタブル・トラストに寄付した際、念願だった補修の夢が可能になったのです。

科学 

 体感型のインタラクティブな展示(有料)では、マルチセンサリーを利用して宇宙のスケールの大きさを体感できたり、科学的、文化的な側面からその不思議に迫ったりします。また、最新の発見についてもその謎を探ります。

 光害のない素晴らしいタカポの夜空は、天文学者や物理学者などをはじめ、世界中の人々を魅了します。マウント・ジョン山頂にあるカンタベリー大学の天文台はニュージーランド初の天文学の研究所で、南の空の発見や観測を可能にしています。

アオラキ・マッケンジー国際ダークスカイ保護区 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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 アオラキ・マッケンジー国際ダークスカイ保護区は2012年6月に設立されました。米国アリゾナ州ツーソンに本拠地を置く国際ダークスカイ協会により認定を受け、アオラキ・マッケンジー・スターライト・ワーキング団体が2012年1月に作成した申請書の詳細に沿って保護区となりました。

 この保護区の目標は、星空観測と天文ツーリズムを推進すること、そしてマウント・ジョン天文台にあるカンタベリー大学の天文研究の保護が挙げられています。

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