カ・マテ? カパ・オ・パンゴ!?
オールブラックスのハカの歴史

いよいよ11月3日、日本でオールブラックス対日本のラグビーの国際試合が開催されます。そこでここでは、オールブラックスのハカの歴史を紐解きましょう。

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 オールブラックスが試合前に行う儀式、ハカ。その圧倒的な存在感は一度見たら忘れることはありません。

 現在、オールブラックスが行うハカは、1888~1889年にニュージーランドのマオリチームが国際的なラグビー大会で初めて披露した伝統的なハカ「カ・マテ」と、最近作られたばかりの新しいハカ「カパ・オ・パンゴ」の2種類あります。どちらもオールブラックスが試合前に士気を高め、心身ともにコンディションを整えるのに重要な役割を果たしています。

 ハカはニュージーランドの先住民マオリが戦いの前の儀式として執り行っていた伝統的な踊りです。戦場で敵と戦う直前に行われることもあれば、戦場へ赴く前に村で行われることもありました。ハカの激しさやどう猛さは、軍隊の士気を高めのると同時に差し迫った戦いに向けて心身ともにコンディションを備えるのに大変重要だとされています。

 オールブラックスが最初に披露したハカ「カ・マテ」は、ナティ・トア・ランガティラ族の名高い首長、テ・ラウパラハによって19世紀初頭に作られました。

 テ・ラウパラハはかつての恨みをはらすために彼を追ってきた敵から逃げていました。北島の中央台地にさしかかったとき、その地の首長テ・ファレランギがテ・ラウパラハを縦穴の中に隠し、妻のテ・ランギコアエアを穴の入り口に座らせました。

 敵はテ・ラウパラハを探しましたが見つけることはできず、そのまま先へと進んでいきました。縦穴から出てきたテ・ラウパラハはテ・ファレランギとその部族の人々の前で、穴に隠れている間に作った、敵から逃げ延びたという幸運を祝うハカ「カ・マテ」を踊ったのです。

 「カ・マテ」は長い間オールブラックスが行う唯一のハカでしたが、2005年8月27日、ダニーデンのカリスブルック・スタジアムで行われた対南アフリカ戦において、新しいハカ「カパ・オ・パンゴ」が披露されました。

 「カパ・オ・パンゴ」は北島東海岸のナティ・ポロウ族出身のデレク・ラーデリがオールブラックスのために特別に作ったハカです。「カパ・オ・パンゴ」は「黒のチーム」という意味でオールブラックスを指しています。歌詞の中に登場するシルバー・ファーンは、ニュージーランドを代表するネットボール・チームのチーム名でもあります。

 オールブラックスは南アフリカ代表のスプリングボックスに31対27で勝ちましたが、この新しいハカに対する批判が広がり勝利に水を差すことになりました。問題となったのはこのハカの最後のジェスチャーで、多くの人が喉をかき切るかのような不快な動作だと感じたのです。ラーデリはすぐさま自分の作品を擁護し、これは首を切る動きではなく体内に生命力を引き込むことを表しており、ハカの精神に合ったものであると説明しました。

 オールブラックスの試合の際、誰がハカを率いるか、どのハカを行うかは通常試合前にチームで決定します。オールブラックスのマネージメントによると、チームのその時の状態や対戦相手がどこかによって決まるのだということです。

 ハカは男性だけが踊るものであるとよく誤解されています。確かに多くのハカが男性のみによって行われていますが、性別に関係なく行われるハカや女性だけのハカもあります。


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