オールブラックスの英雄、リッチー・マコウ氏と空高く飛ぶ

ラグビーワールドカップ2015イングランド大会後、現役を退いたオールブラックスの英雄、リッチー・マコウ氏。今、彼は引退後の新たな人生で、さらなる"高み"を目指しています。

 ラグビーのニュージーランド国代表、オールブラックスの英雄、リッチー・マコウ氏が現役を引退し、さらなる高みを目指しています。それは、生まれ故郷の空を飛ぶことです。

 35歳にして引退は少し若いのではないか、と言う人もいるかもしれません。ですが、ラグビーのニュージーランド国代表チーム、オールブラックスに所属し、オープンサイド・フランカーのポジションで活躍してきたリッチー・マコウ氏にとって、その身体的なダメージを想像すると納得がいくのではないでしょうか。

 15年に及んだ国代表としてのキャリアで、テストマッチ(国代表の国際試合)の出場回数を148回記録した現役生活に終止符を打ったリッチー・マコウ氏。ラグビー史上最高の選手の一人である彼が、引退後の日々を楽しんでいるのは無理もありません。マコウ氏はこれまでも、ラグビーをしていないオフの日は、空を飛ぶことに情熱を注いできました。そしてこの度、クライストチャーチ出身の彼は、クライストチャーチ・ヘリコプターズに所属し、パイロットとしての役割を担っています。実は、9歳の幼少時から空を飛んでいるマコウ氏。祖父のジム・マコウ氏が第二次世界大戦の勲位を授与されたパイロットだったことから、空を飛ぶことは彼にとって身近なことで、幼いころから興味を抱いていたのでした。

 現在、マコウ氏の使命は、空からしかアクセスできないクライストチャーチのエリアを旅行者に見せることです。

「空を飛ぶことで、ニュージーランドのもっといろんな部分を見ることができます」と元オールブラックスのキャプテンは話します。「ヘリコプターでは、通常見ることのできないところを飛べて、隠れた場所を発見できるのです」。

 ラグビー界でスポットライトを浴びてきたリッチー・マコウ氏ですが、その人柄は、典型的なニュージーランドのファッションからも感じ取れるように、控え目で気取ったところがありません。そもそも彼が生まれ育ったのは、南島の真中に位置する人口わずか312人のクロウという小さな街。田舎育ちの彼からは“南島のルーツ”が感じられ、特にニュージーランド人の気質の一部でもある、リラックスした雰囲気が漂っています。

「ここニュージーランドの人は、世界のほかの国々から離れているせいか、みんなフレンドリーで親切なんです」と彼は言います。「キーウィとして、私たちは旅行者がこの国を訪れてくれることをうれしく思っています」。

  マコウ氏は彼の街やカンタベリー地方を人々に見せることを誇りに感じています。

「景色と山が最高で、本当に素晴らしいものを見ることができます」。

「空を飛ぶことで、街の全体像がよく分かります。空から見たクライストチャーチは、周辺の景観も含めてとてもユニークな市です」。

 クライストチャーチは、リッチー・マコウ氏が所属していたスーパーラグビーのチーム、クルセイダースの本拠地であり、ニュージーランドで二番目に大きい都市です。街を一変させた大地震から5年が経ち、クライストチャーチの街は目覚ましい復興を遂げ、魅力的で最先端の情報が詰まった都市として新たに生まれ変わっています。

  街の新開発が楽しみだという彼は、「今のクライストチャーチには、新しいものがそこら中にできています。カフェやレストラン、ショップなど、いつ街を訪れても新しいところを発見できるでしょう」と話します。

 来る2017年には、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズがニュージーランド遠征を行い、クライストチャーチを訪れてクルセイダースと対戦する予定です。マコウ氏は、そのイベントはクライストチャーチの街と国全体にとって特別なものになるだろうと確信しています。実は、同チームが前回ニュージーランドで試合を行ったのは2005年のことで、マコウ氏はオールブラックスに入ってまだ5年目でした。時の主将はタナ・ウマンガ氏で、その大会はリッチーにとって思い出深い試合の一つだったと言います。

「ライオンズと試合ができるのは、ラグビー人生において一度あるかないかなんです。サポーターの熱狂ぶりや雰囲気そのものが、ツアーを特別なものにするんです」とマコウは言います。そして選手として、「北半球で最高のチームと戦うのは、とてもすごいことです」とも語ります。

 ザ・ライオンズが、クライストチャーチのAMIスタジアムでクルセイダースと対戦するのは2017年6月10日。その時、彼の心の中には、フィールドに立ってプレーしたいと思う気持ちが沸き起こることは間違いないでしょう。ですが一方で、サイドラインからサポーターの声援とともに観戦するのも楽しみだと彼は言います。

 そして、ニュージーランドを訪れるライオンズのファンに、カンタベリーのガイドツアーができることを楽しみにしているのだと話します。

「ヘリコプターでは、短時間で高山の上空まで飛ぶことができます。素晴らしい高山にある広大な牧草地でランチを楽しんだり、眺めを満喫したりできます」。

「ヘリコプターに乗らなければ、カンタベリーのそんな素晴らしさに出合うチャンスはないでしょう」。

 クライストチャーチ・ヘリコプターズは、さまざまな遊覧飛行のコースをそろえています。ワイナリーにフォーカスしたものや、河川の上空を飛んで山頂に降りるコースのほか、湖のほとりに飛んでそこでおいしい料理を味わうことができたり、ゴルフコースに行ったりもできます。中でもマコウ氏がお薦めするのは、バンクス半島上空のフライトです。そこは隠れた秘境の湾が数え切れないほどあり、地元の人たちに人気のスポット。芸術や文化的に活気があって、野生動物の息づく豊かな海洋環境がある素晴らしいエリアです。

 ではマコウ氏が考える、ニュージーランドで過ごす最高の一日とは?

「僕にとってニュージーランドでの最高の一日は、氷河を抱いたマウント・クックの山頂へ飛ぶことから始まります。それからジェットボートで高山の川を上って、誰もいないところで友だちと一緒にバーベキューを楽しみます」。

 そんな一日は不可能なことのように聞こえますが、ニュージーランドではすべて可能なのです。リッチー・マコウ氏が生まれ故郷を愛しているのは、そういう理由からきているのです。

リッチー・マコウ氏が選ぶクライストチャーチ・ベスト5

  • おしゃれにディナーを楽しめる店:キング・オブ・スネーク(住所クライストチャーチ市クライストチャーチ・セントラル、ビクトリア・ストリート145番地)
  • 安くておいしい店:エース・ワサビ (住所クライストチャーチ市メリベール、パパヌイ・ロード106番地
  • クライストチャーチで必須のアクティビティ:遊覧飛行で最高の眺めを。
  • カンタベリー広域地区で最高のスポット:マッケンジー高原
  • 秘密の場所:フロック・ヒル。映画『ナルニア国物語』の戦場のロケ地。

映画スター、リッチー:映画『チェーシング・グレート』

 リッチー・マコウ氏がオールブラックスに所属していた最後の一年は、最も成功を収めた年の一つでした。それは同時に、国民からの大きな期待を背負っていたのです。マコウ氏率いるオールブラックスは、大会史上初の二連覇を目指してラグビー・ワールドカップに挑みました。

 誰もがこの結末を知っていますが、ほとんどの人がその舞台裏については知らないことでしょう。映画『チェーシング・グレート』は、黒いユニフォームを身にまとったマコウ氏の選手生活最後の一年をつづったドキュメンタリー作品で、9月1日にニュージーランドで公開されました。マコウ氏のプライベートな面も映し出され、シャイな農家の少年がどのようにして素晴らしいラグビー選手になったかを描いています。

映画『チェイシング・グレート』公式サイト

どちらのコンテンツがよろしいですか?