今年のマタリキは、ごちそうとともに

冬至とともに夜空に姿を現すマタリキの星たち。この星はマオリの暦で新年の訪れを告げるものであり、ニュージーランドの国内各地では、食を通じた新しいマタリキのお祝いが盛大に開かれます。

 ニュージーランドの暦の上でマオリの新年を告げる星、マタリキ。今年は、6月25日にこの国の夜空にマタリキが姿を現すと、ニュージーランドはお祭りムードに包まれます。

 南半球のこの国で真冬に差し掛かるこの時期、「すばる」や「プレアデス7人姉妹」などの名でも知られるマタリキの星群がニュージーランドの夜空に姿を現します。数千万年以上も前に形成されたこの星たちは、古代のさまざまな神話において、また現代のマオリ神話においても重要な役割を担ってきました。

 この時期、ニュージーランド各地ではマタリキを祝う大小さまざまな催しが開催され、特に今年はこれまでにない大規模なものが予定されています。

フィースト・マタリキ(マタリキのごちそう)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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 ニュージーランドで初開催となる、国の食べ物や食文化を祝うイベント「フィースト・マタリキ」。主催するのは「私たちの土地の食べ物で人々をつなぐ」ことを目的とした食に関するコミュニティ、イート・ニュージーランドです。

 6,7月の期間中に現在時点で予定されているイベント数は40以上にのぼり、今後100以上に膨れ上がる見込みです。

 各地域の行政機関も参加し、中でも下記のイベントは見逃せません。

日程 イベント名 会場
6/28 マタリキ:ファッシュ、チップス、バーガーズ&テ・レロ、マオリ 南島クライストチャーチ
7/1 エレメンタル・フィースト 北島オークランド
~7/14 マタリキ料理チャレンジ 北島ワイカト
~7/6 ダイン・ダニーデン 南島ダニーデン
~6/30 ウインターFAWC 北島ホークスベイ
6/26 チャールズ・ミッシェル 北島ウエリントン

 

 特に、ウェリントンのヒアカイ・レストランの先駆者のマオリシェフ、モニーク・フィソと、Netflix(ネットフリックス)の料理番組「ザ・ファイナル・テーブル」で世界的に有名なシェフ、チャールズ・ミッシェルがコラボするイベント『チャールズ・ミッシェル(6/26)』では、マオリのストーリーテリングを聞きながら、マオリ独特の野生ハーブの食材を使った料理を味わえます。

 イート・ニュージーランドの責任者、アンジェラ・クリフォードさんは本フェスティバルについて、「自国の食文化についてより理解を深め、ニュージーランドならではのスタイルで祝える機会」だと話します。

「私たちの食にまつわる伝統文化とストーリーをすべてのニュージーランド人によく知ってもらうことが重要だと考えています。このフェスティバルをきっかけに、食の世界においてニュージーランドがなぜユニークなのか考えてもらいたいのです。こういった考え方が徐々に人々の間に浸透し、この国の良さを知り、大地が育むあらゆるものに対して感謝の気持ちを持つことを願っています」。

 本イベントは国内各地で開催され、ストリート・フェスティバルやマタリキ料理大会、ハンギ(地中で料理される食べ物)、コミュニティが中心となった食の祭典、シェフのコラボレーションなどバラエティー豊かなラインナップです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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「世界のほかの地域では、寒い時期に感謝祭やクリスマスなどを祝いますが、それと同じように、ニュージーランドでも冬のこの時期は人々が集ってゆったりとした気分で過ごし、獲れ立ての旬の食材を楽しむのに最適なのではないでしょうか。実はこれは私たちが伝統的に行ってきたものであり、このイベントで改めて見直したいと思うのです」。

 すでにフィースト・マタリキはグローバルなイベントへと広がりを見せており、6月4日には、クライストチャーチにあるレストラン、ギャザリングのシェフであるアレックス・デイビス氏はロンドンへを会場に、ロンドンのロッシェル・キャンティーンの創始者マーゴット・ヘンダーソンさんと一度きりのイベント「ディナー・テイクアウエー」を行いました。

 フィースト・マタリキでは、ニュージーランド固有の食材に焦点を当ててこの国ならではの二つの文化的伝統を称え、マナアキタンガ(おもてなし)の精神を広めたり理解を深めたりできる特別なものとなるでしょう。

マタリキ/始まり

 

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 マタリキは真冬に差し掛かる5月末か6月初め(日付は部族やグレゴリオ暦によって異なります)の夜明け前の夜空に肉眼で見ることができます。

 マオリの人々にとって、マタリキの現れは一つの年が終わったことと新しい始まりを告げる天からの知らせのようなものです。ファナウ(家族)との時間をゆっくりと過ごしたり、一年を振り返ったり、来る新年に向けて活力を高めたりする時期ととらえられています。

 ほかの文化と同様に、マオリにとっても食事は重要なものです。伝統的にマオリの人々は土地が生命を与えてくれると信じています。食べ物も大地から作られるものであり、マタリキでは大地を司るマオリの神「ロンゴ」と「ウエヌク」に、来る新しい年の豊作を祈願する祭りが催されてきました。

 マタリキが現れる頃は一年の収獲を終え、翌年の収獲まで食べつなぐのに十分な蓄えがないといけません。この重要な仕事を終えると、地中のオーブンを使った蒸し焼きの料理「ハンギ」など、カイ(食べ物)を囲んで家族や友人でお祝いするのです。

 そういったマオリの文化を守り受け継ごうと、21世紀初頭以降、国を挙げてマタリキの復興にも力が注がれてきました。現代のマタリキのお祝いが開催されたのは2000年のことです。最初のフェスティバルの参加者は500人ほどでしたが数年後には1万5千人ほどまでに増え、現在のような大規模なものに発展しているのです。

 フィースト・マタリキの各種イベントは下記ウェブサイトでチェックできます。随時アップデートされるので、こまめにチェックしてください。https://www.eatnewzealand.nz/feast-matariki  

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