ニュージーランド伝統食材の楽しみ方入門

「パウア」や「ホロピト」などニュージーランドの食材を聞いたことがありますか?ここではニュージーランド料理をいっそう楽しむことができるよう、地産の伝統食材について紹介します。

 最近のニュージーランドの食文化で見られる最も大きな変化は、マオリ語で「カイ」と言われるマオリの伝統的な食材が注目を集めるようになったことです。
 この動きはNetflix(ネットフリックス)の料理番組『ファイナル・テーブル』に登場した一流シェフ、モニーク・フィソさんが先頭に立って行われました。マオリとサモアの血筋を持つモニークさんは、自らのルーツに基づいた伝統的な食材や調理方法を徹底的にリサーチし、それらをふんだんに取り入れて独自の料理を創り上げました。ウェリントンにオープンさせた豪華な雰囲気のレストラン、ヒアカイ(Hiakai)では、そんな彼女の料理を堪能できます。

 ニュージーランドで「カイ」(マオリ語で食事を意味する言葉)をいっそう楽しめるよう、ここではレストランやグルメフェスティバルの屋台などでメニューに上る、伝統的なマオリ食材を紹介します。

貝類
 引き潮の時に砂浜を深く掘ると、ピピやトゥアトゥア、トゥアンギ(コックル)など、甘みがあっておいしい貝が採れます。貝を開けて新鮮なまま生で味わうのもよし、蒸し料理にしてバターを少し乗せたりハーブやレモンを掛けて食べたり、パスタや魚料理と合わせてもおいしく味わえます。最高においしく貝類を食べられる店は、オークランドにあるデポット・イータリー(Depot Eatery)でしょう。

緑イ貝(ムール貝)/クク
 海外にもそのおいしさが知れ渡っているニュージーランド原産の貝。緑イ貝はワインで蒸してハーブを添えたり、半分に割ってベーコン、玉ネギ、カリカリのパン粉をトッピングしてオーブンで焼いたりして味わいます。北島のマールボロ地区のハブロック・ノースにあるザ・マッスル・ポット(The Mussel Pot)で味わってみてください。

ホロピト
 ニュージーランド原産の低木、ホロピトの葉(乾燥させたもの)と種はピリッとした辛味が特徴のスパイスで、マオリの人々の間では伝統的に薬としても使われてきました。スパイシーで土の香りがあり、香辛料として広く使われたり、鶏や肉料理の詰め物などにも使われます。ニュージーランドで上質な食材を扱う食料品店を訪れたら、ドベレールズ社のホロピト・パンを探してみてください。

カワカワ
 ニュージーランド原産の低木、カワカワの葉と果実は、マオリの人々の間で薬やスパイスとして使われてきました。カワカワ・ティーはスッキリとした味わいで、葉は料理を包んだりスープやストックのベースに使われます。モニークさんのレストラン、ヒアカイ(Hiakai)では魚料理でドレッシングに使われ、素材の風味を引き立てています。

サツマイモ /クマラ
 サツマイモはカイで重要な食材の一つです。特にハンギでは欠かせないもので伝統的な食事では必ず調理されます。サツマイモは主に三つの種類があって紫、クリーム色、そして赤色をしています。どれもローストしても蒸してもおいしく食べられます。オークランドにあるプハ&パケハ・カフェ(Pūhā & Pākehā)ではクマラとココナッツのおいしいスイーツが味わえます。

ニュージーランドほうれん草/コヒヒ
 ニュージーランド原産のホウレンソウ(コヒヒ、ツルナ)は、沿岸部に生息している緑黄色野菜です。よく洗ってあく抜きされた葉は風味が豊かでサラダやスープに使ったり、シチューや蒸し煮料理に添えたりするとぴったりです。

アワビ/パウア貝
 パウアは岩場の深い海岸で採れる良質な貝です。黒いインクのような色をした貝肉は歯ごたえのある食感が特徴で、美しい貝殻は研磨したり加工してジュエリーや装飾品などにも重宝されています。パウア貝の身はフリッターで食べるのが一般的です。また、クィーンズタウンの近くにあるアミスフィールド・ワイナリー(Amisfield)では、パウア・パイが有名です。

ピコピコ
 デリケートでくるっと丸まった、鮮やかな緑色のシダ植物、ピコピコ。料理を引き立てる薬味として使われるほか、蒸したり茹でたり、炒め物に加えたりもできます。オークランドのプハ&パケハ(Pūhā & Pākehā)で味わえるリゾットは、その繊細な味わいを堪能できます。

プハ
 マオリのカイにおいて最も重要な食材の一つです。野生の葉野菜でアザミのようなギザギザの形をし、茎をちぎると白い汁が出てきます。プハは豚肉と一緒に茹でて味わうことが多く、ほかにも「ボイル・アップ」と言われるように、シンプルに茹でて食べます。比較的どこでも採取でき、モニークさんは「この食材はどこにでもあり、道端や草むら、庭先でも自生しています」と話します。

海産物/カイ・モアナ
 カイ・モアナ(マオリ語で海の食べ物を意味する言葉)は、マオリのごちそうで主役となるものです。バラエティー豊かな貝類は先述の通りで、それらに加えて最もおいしい魚類は脂がのって食べ応えのあるカワハイとムレット、大きなキングフィッシュやハプカです。レストランのメニューに揚げ物や燻製されたものがあったら試してみてください。

タエワ
 マオリ・ポテトとも言われるこのジャガイモはニュージーランドの主要な生産物で、食用としても取引用としても栽培されていました。いくつか種類がありますが、皮が紫色など色が付いていて中はクリーム色や青みがかった色をしています。中でも、モエモエとウレニカがよく知られています。

ティティ
 マトンバードという名でも知られている海鳥ティティは塩味があって独特の濃い風味が特徴で、好きな人にはたまらない逸品です。この食材は、ニュージーランド最南端の島で、マオリの特定のイウィ(部族の意味)によって伝統的な手法で採られます。通常ティティは塩漬けにして保存され、ローストか茹でて食べます。南島のクィーンズタウンのフィッシュボーン(Fishbone)やモエラキにあるフルーアーズ・プレース( Fleurs Place)を訪れて、ぜひこの珍味を味わってみてください。フルーアーズの店主はマトンバードについて「アンチョビーの風味がするカモ肉」のようだと説明します。

カレンゴ、その他の海藻類
 栄養価が高くておいしい海藻類もたくさんあり、リムラパ(ブルケルプ)やカレンゴ、アオサなどがその代表です。スープやサラダで味わってもいいですし、乾燥して料理のトッピングとしても味わえます。

マオリの伝統食材とマタリキについて


マタリキとは:マタリキはマオリ暦で新年を象徴するイベントです。真冬に差し掛かる時期に「マタリキ」と呼ばれる群星が夜空に姿を現すと、一つの年が終わったことと新しい始まりを告げることを意味します。古来からマオリの人々は、穀物の収獲を終えて一年の仕事がひと段落した後、家族やや親せきが集まってお祝いしてきました。

時期:6月中旬~7月

開催地:ニュージーランド全国各地にあるマラエ(マオリの集会場)でお祭りが行われます。ほかにも2019年は、ウェリントン市が地元のマオリとテ・パパ国立博物館が協力して特別イベント(Wellington City)を開催したり、イート・ニュージーランド(Eat New Zealand)がマタリキ・マオリ・カイ・イベントの全国開催を推進したり、またオークランド市はマタリキ・フェスティバル(Matariki Festival)を主催して1カ月以上にもわたってAKLエレメンタルという新イベントを開催したりなど、盛大にお祝いされました。

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